情報学教育研究会について

 2003年,全国の高等学校で情報科が新設され,年次進行により実施された。その前年にあたる2002年,情報学教育研究会の前身にあたる「情報科教育法研究会(JK研)」を設立した。情報科教育法研究会では,情報科教育の発展に向けて,メンバーのみならず,多くの方々の協力により,「情報科教育研究Ⅱ:教科「情報」の実習事例」(開隆堂出版)を出版した。

 その後,情報科を専門とする学会(日本情報科教育学会)の設立を受け,情報科教育法研究会はその発足に加わることとして,2007年,活動を事実上休止した。

 しかし,2009年,文理融合の情報学教育をコンセプトに再発足し,その名称を情報学教育研究会と改め,初等中等教育一貫した体系的な情報学教育の実現に向けて,会誌「情報学教育研究」の発行をはじめとする諸活動を行っている。

 また同年,姉妹組織として教育情報化推進研究会が新たに発足している。情報学教育研究会が内容論に特化しているのに対し,教育情報化推進研究会は学校教育の情報化,すなわち方法論に特化した研究会であった。これは当時,新設間もない高等学校の情報科,そして情報化といったまったく同じ読み方であるそれぞれ異なる新しい潮流が,当時の時流では混同しがちな状況であったためである。そのため,あえて内容論,方法論それぞれに特化するふたつの研究会が組織され,それぞれの分野の研究を進めることとなった。

 しかし,その後の月日の流れの中で,高等学校の情報科においては,大学入学共通テストに情報科が入る機運が生じるなど,情報科を取り巻く状況が変化していったこと,また,学校教育の情報化においては生徒ひとり1台のタブレット型PC環境を整備する学校,自治体が増加し,従来のような教員が教具のひとつとしてICT機器を活用する環境から生徒が教科書やノートのように,学習道具のひとつとして使うものに変化したことを受け,内容論,方法論あわせて検証していかなければならない様相となった。そのため2020年,教育情報化推進研究会を統合し,内容論,方法論両側面からのアプローチに対応,研究分野により広い視野をもたせることとなった。