ファミリーレストランと学生食堂の問題解決

情報学教育研究会 Webコラム 代表blog 情報学教育研究会 代表 横山成彦 コラム

みなさん,こんにちは。

ここ最近,ファミリーレストランを利用する機会が立て続けにありました。久しく行っていなかったファミリーレストランに行ってみると,以前と大きな違いがあることに気がつきました。

1件目に訪れたファミリーレストランは,これまでは,席に着くと店員さんがメニューを持ってきてくれて,注文を訊いてくれるシステムでした。それが各テーブルにタブレット型PCが配備され,それを通じて注文をする仕組みに変わっていました。

さらに驚いたのは,料理の配膳をするのが,店員さんからロボットに変わっていたことです。配膳ロボットがテーブルのそばまでやってきて,お客さんがロボットから料理を受け取る仕組みでした。ロボットはゆっくりのスピードではありますが,人や障害物を巧みに避けながらうまく配膳していました。

続いて,2件目に訪れたファミリーレストラン。従来のシステムは前者と同じでした。しかしこちらが導入したのは各テーブルに置かれた紙の注文票でした。お客さんはメニューに書かれた番号を注文票に書き,それを店員さんに渡すと,店員さんが配膳してくれるシステムです。前者に比べるとアナログなやり方ですが,注文ミスの軽減,注文の確認の削減によるスピードアップに効果がありそうです。

どちらも,サービス向上はさることながら,新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として,また,人手不足や働き方改革などといった取り組みの一環としての方策なのでしょう。これを一種の問題解決と捉えると,同じような形態のお店で,着眼点や導き出した解決策が違ったのは面白く感じました。

さて,そんなことを思いながら,機会があって,ある学校の学生食堂にお邪魔しました。

その学生食堂は,券売機でチケットを買い,それを店員さんに見せたら料理が出していただけるので,それをお盆に載せてテーブルに運んで,料理をいただく…という学生食堂によくあるセルフシステムです。

ふと,この一連の流れを見てみると,無駄が少ない,よく考えられた仕組みだなと感心しました。短時間に特定のターゲットのたくさんのお客さんが集中する学生食堂ならではの仕組みなのでしょう。

ファミリーレストランも学生食堂のような仕組みを展開すれば…と,頭の中でシミュレーションしてみましたが,一見さんも多いと考えられる幅広い年齢層を集めるファミリーレストランでは導入が難しいそうと感じることもたくさんありました。

さて,児童生徒が同じことを考えたとき,同じ結論に行き着くのでしょうか。

どうしても大人が考えるとき,利益やコストなどと,現実を直視した上で多角的に物事を捉え,解決を図ろうとしてしまうあまり,いろんな引き出しを開けては材料を広げてしまい,結局のところ,否定的な視点から見つめがちです。

もし,小学生のときだったら…中学生のときだったら……高校生のときだったら………

きっと,もっともっと素直な解決策を考えようとしていたかもしれません。

いま,インターネットを通じて,子どもや大人といった区別のない膨大な情報を見聞きする環境が整い,大人びた児童生徒が増えているように感じます。けど彼らには,まっすぐ問題と向き合って,大人が忘れてしまった夢のある解決策を見いだしてほしい,そのように思います。