2024年 年頭所感

2024年 年頭所感 研究会からのお知らせ
2024年 年頭所感

2024年の年頭にあたり,情報学教育研究会 代表の横山成彦よりご挨拶申し上げます。

情報学教育・教育の情報化をさらに深化させ,広げていきましょう

2024年の年頭に当たり,謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

はじめに,2024年1月1日に発生いたしました令和6年能登半島地震により亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに,被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

2023年を振り返りますと,国外においては戦争や紛争が続き,国内においては前年から続く物価の高騰や円安,さらには各界の混乱など,先を見通すことのできない状況が長く続いています。

情報学教育の分野においては,生成AIの活用が進み,身近なものになりつつあります。そのような中,文部科学省は2023年7月に「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」,「大学・高専における生成AIの教学面の取扱いについて」を公表するなど,生成AIの波が教育の分野にも波及してきていることを示唆しました。

今後ますますの活用が期待される生成AIですが,2022年9月に静岡県などで猛威を振るった台風15号の際,生成AIで作成された,静岡の街全体が水没しているフェイク画像が拡散したことは記憶に新しいところです。

情報学教育研究会は,こうしたさまざまな側面に教科教育として普遍的な点を見いだし,今後生み出される新しいテクノロジーにも準用することができる生涯にわたって活かすことのできる学習内容を研究し,展開していきたいと考えています。

また,2025年1月には大学入学共通テストに「情報」が出題されます。実施まで残り1年となりました。受験されるみなさまや教育関係者に混乱を来すことのないよう,適切な広報と運用を関係各位に期待します。

教育の情報化の分野においては,GIGAスクールで導入された機器のリプレースの検討がはじまりつつあると耳にする機会が増えてきました。その一方で,学校に設置されたコンピュータ教室のリプレースをどうするかをセットで検討されている場合もあると聞きます。学校教育におけるコンピュータ教室の在り方については,2022年12月に文部科学省が「GIGAスクール構想に基づく1人1台端末環境下でのコンピュータ教室の在り方について」を公表しているところです。

また,2020年から続く新型コロナウイルス感染症については,2023年5月8日より,感染症法上における位置づけが,2類感染症から5類感染症へ移行しました。2020年の新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が発出されたころ,ICT先生方の多大な尽力と創意工夫,ICTによって継続された「学び」について,それに対する敬意を忘れることはありません。しかし,その「学び」の手法が形骸化していくことを危惧しています。ぜひ先生方には普段の授業に応用していただき,さらに深化していただきたいと考えています。

情報学教育研究会では,それら先生方の創意工夫を共有し,広げることができる仕組みの提供を検討しています。また,これから教育の情報化に関心を持たれる先生方に「したい」を実現に移行できる仕組みの提供も併せて検討をおこなっています。

さらに,2023年3月,文化庁が京都に移転しました。今後,京都は平安京から続く古都としてのみでなく,「文化首都」としての機能を担っていくこととなります。

情報学教育研究会は滋賀県で産声を上げ,その後,関西圏を中心に全国に広がって参りました。情報学教育と文化との関わりは深く,今回の移転を機に新たな連携ならびに文化面における研究においても深めて参りたいと存じます。

情報学教育研究会は,2024年,情報学教育研究会としてリスタートして15周年を迎えます。ようやく社会がこれまでの日常を取り戻していく中,情報学教育研究会も情報学教育,教育の情報化の推進に向けて一層,邁進して参ります。

情報学教育研究会への一層のご理解とご協力を賜りますよう,お願い申し上げます。

2024年 1月 9日

情報学教育研究会
代表 横山 成彦

横山 成彦

情報学教育研究会代表。修士(教育学)。大阪学院大学高等学校情報管理室室長・株式会社SFC。

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