みなさん,こんにちは。
二十四節気で申し上げると「処暑」を過ぎたため,暦の上では暑さも落ち着いたというところでしょうか。
しかし,実際にはまだまだ暑い…どうか熱中症をはじめ,体調にはくれぐれもご留意ください。日本でもここ数年,体温以上の気温になることが当たり前になってしまいました。海外では体温をはるかに超える50度近くまで上昇するといった地域もあるようです。そんな世界の気象状況から,国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わり,地球沸騰の時代(the era of global boiling)が来た」と表現されています。
ふと,子どものころを思い出すと,いまは多くの学校の教室に備え付けられている空調機器はなく,冬場にストーブがあるくらいでした。夏の日も,多少の我慢はあったかもしれませんが,エアコンがなくても40人くらいの児童生徒が密集する教室で普通に授業が受けることができる環境でした。それだけ,目に見えることなく,地球沸騰に向けて,地球温暖化が忍び寄るように進んでいたのでしょう。
そんな教室で受けた授業では,地球温暖化というキーワードよりも,「酸性雨」の問題,「オゾン層の破壊」といった印象の方が強かったように思います。教科書に載った,朝顔が雨に濡れて変色している写真や,オーストラリアの児童生徒が強い紫外線から目を守るためにサングラスをかけて通学している写真は強く記憶に残っています。
ところが最近,「オゾン層の破壊」というキーワードを聞くことがなくなりました。
そこで少し調べてみると,国連の報告書にそのヒントがありました。
それによると,1985年のオゾンホールの発見後,1987年に採択された「モントリオール議定書」が功を奏し,現在までにオゾン層を破壊する物質の99%近くのものが廃止され,そしていまやオゾンホールは縮小しはじめているそうです。
1980年のオゾンホールの規模に戻るのが北極上空では2045年,南極上空では2066年との予測です。あと43年。みんなでがんばれば,あと43年のうちに,オゾンホールに起因してサングラスをかけて通学するようになってしまった児童生徒は,サングラスから解放されると思うと,やる気が出るものです。
さて,地球沸騰の時代はというと,どうすればこの状況を打破できるのでしょうか。
空間の一部を涼しくしたり,暑い中でも心地よく過ごすことのできる技術はこれまでの叡知により人類は持ち合わせているので,それを併用しつつ,無理なく再び地球温暖化といわれる前の状態に戻りたいところです。
みんなが,なにを,どれだけ,どのくらいの期間がんばれば,実現できるのか。
そうした手につかむことができそうな目標設定を期待するところです。